「 収益不動産オーナー向け対策プラン 」
自宅だけでなく賃貸アパート等の収益不動産を所有している方向けのプランです。収益不動産を所有している高齢者の方が、もし認知症等で判断能力がなくなってしまったら、アパートの賃貸管理や売却処分、大規模修繕、建替え等ができなくなりますので、日常の管理にも支障が生じ、相続税対策もできなくなります。また、遺言を作っていない場合は、相続税の申告期限内(相続開始後10カ月以内)に法定相続人間で誰が何を相続するか遺産分割協議をまとめる必要があります。親が元気なうちに子どもとの間で信託契約を締結し、財産の名義を子どもに変更することで、信託契約後の財産管理を受託者である子どもが行うことができます。
相談内容
私は賃貸アパートを2棟所有しています。妻は昨年他界し、今は長男(54歳)と2人で暮らしています。長女(50歳)は結婚して近くに家を建てて住んでいます。今まで賃貸アパートの管理は私がしてきましたが、私も76歳になり自分で行うことがしんどくなってきました。自宅は同居している長男に、アパートの2棟のうち1棟(アパート①)は長男に、もう1棟
(アパート②)は長女に相続させたいと考えています。
親族関係
対策
長男が相続予定の自宅とアパート①については長男を受託者、長女が相続予定のアパート②については長女を受託者、委託者と受益者を父とする信託契約を2本締結することにしました。委託者と受益者が父なので、不動産取得税、贈与税、譲渡所得税等は発生しません。当面の間はアパート①については父と長男、アパート②については父と長女とで共同で管理を行うことにし、将来もし父の判断能力がなくなった場合は、長男と長女がそれぞれ単独で財産管理処分権限を持っていることから、入居時の賃貸借契約や大規模修繕、建替え、売却を行うことも可能です。
また、信託契約の中で、誰がどの物件を相続するのかについて残余財産の帰属先も定めておくことができますので、別途遺言書を作成したり、相続発生後に遺産分割協議をしなくても、
信託契約書に定めた通りに財産を相続させることができます。
信託スキーム
信託契約①
委託者 | 父 |
受託者 | 長男 |
受益者 | 父 |
信託財産 | 自宅とアパート①、現金 |
終了事由 | 父の死亡 |
帰属権利者 | 長男 |
信託契約②
委託者 | 父 |
受託者 | 長女 |
受益者 | 父 |
信託財産 | アパート②、現金 |
終了事由 | 父の死亡 |
帰属権利者 | 長女 |